「平成2年の公正取引委員会の判断は間違いであった」と裁判所が“お上”を裁いたわけである。
一方、注目のK屋は、平成5年6月9日から有名ブランドの制度品を25~30%のディスカウントで販売した。
それによって、K屋は前年よりも2~3億円多く売り上げたと言われている。
K屋は、S堂をはじめとする大手制度品メーカーと正規のチェーンストア契約を結んでいた。
それだけに、25~30%ものディスカウントを行う“前代未聞”の行為は、単に化粧品業界にとどまらず、各業界等から注目された。
テレビなどでも報道された“安売りのK屋効果”も表れ、遠隔地からも消費者を吸引することができたようである。
「往復の電車賃を払っても釣り合う」と喜ぶ消費者の姿が実に印象的であった。
K屋への来店者は、通常は量販店で購入している消費者が多かったようである。
何といっても“価格”に敏感なのは、専門店よりも量販店志向の消費者ということの現れと言える。
こうした事態に対し、S堂は「チェーンストア契約」を解除して商品を引き上げ、またKやKも契約解除の書面を懐に入れながら出荷制限の態勢で身構える。
このように、メーカーとK屋の根比べの段階から、メーカーの兵糧攻めへと両者の関係は新たな時限へ突入した。
これによって来店客数が急激に減少した河内屋は、公正取引委員会のS堂販社から、ついには本社への立ち入り検査という“名”を手中に収めた。
しかし、経営の本質という“実”の面で苦境に立たされていることは否めない。
とにかく売るべき化粧品が店頭から消えてしまったのである。
この問題については、公正取引委員会の断が出るのにそれほどの時間はかからないだろう。
だが、負けた側が裁判に持ち込むことは確実視されている。
仮に、河内屋に勝利の女神が微笑むとしても、最終的には3年先か5年先かわからない状況にある。
しかも、S堂に次いで、他社メーカーも契約解除を宣言している。
それゆえ、公正取引委員会の回答を待つ間に、河内屋の店頭から大手メーカーの制度化粧品が完全に消える日はそう遠くないと考えられる。
これが日本的商慣行の実態でもある。
規制緩和報道と本質とのズレということだ。
次に、再販制度という規制について述べることにする。
化粧品業界の再販制度は、昭和28年(1953年)の発効から、昭和48年(73年)、そして平成5年(93年)と、なぜか20年を周期に“緩和”されてきた。
こうした過程にあって、今回の再販縮小、K屋の安売り、公正取引委員会のS堂本社立ち入り、S堂のチェーンストア制度見直し、といった一連の状況の中で、化粧品は従来、これほどまでに質的にも量的にも掘り下げてマスコミに取りあげられたことはなかった分野である。
居酒屋を知らない方でも、居酒屋のことをあれこれ伝授します。
居酒屋広告でどういった居酒屋の役割を担っているのかを考えてみましょう。